imaginegargle’s blog

中国文明の揺籃である河南省への旅の準備とその旅路について記すブログ

河南省を往く33

 今夜が最後の西安の夜になる。昨日夕方に秦腔のさわりを少しばかり聴いて、あぁ良いな〜と思ったので、今夜は鐘楼近くの秦腔の芸術団体である「易俗社」の劇場まで出かけた。と言ってもホテルからは歩いて10分ほど。鐘楼のロータリーに面した郵電ビルの裏に再開発された芸能関連の施設が入った一角がある。

 毎晩やっているのは相声という掛け合い漫才みたいなのが専用の劇場でかかっているが、秦腔のような本格的な芝居は隣の大劇場「易俗社大劇場」で時々やるようだ。あとは結構広い広場があって立派な戯台もある。広場の片隅ではカラオケセットみたいな機材を持ち込んでおじさんがずっと一人で秦腔の歌いをやっている。マニアなのかプロなのかよくわからん。

 とにかく人だらけでうるさい回民街や漢服着たコスプレおばお姉さんだらけの鐘楼近辺と違ってしっとりと落ち着いた場所であるので、西安に行く人は要チェックである。食べ物屋さんも入っているが屋台とか煮売屋みたいなのとは違い椅子もテーブルもあって扉を開いて招いてくれるちゃんとしたお店だ。

 その中の春発生飯店(易俗街区店)に入る。こういう初めての店に入るにはとにかくニコニコ笑いながら入るのが吉だ。大抵良くしてくれる。泡饃を一杯頼んでやって来た丼ぶりの中にある焼いたピンを細かくちぎる。そばで見ていた店員のおばさんがもっと細かく、大きすぎるよみたいなことを言うのでおばさんがうんと言うまで細かくちぎる。やがて持ち去られた丼ぶりには卵や肉団子、ハルサメや臓物類が入れられ真っ白に濁ったスープが何度も回し掛けられ、再びテーブルに届けられる。ラージャオを少し入れて味を整えるといただきますだ

 汗かきながら食べ終わったが、本当に汗をかくのはこの後であった。


f:id:imaginegargle:20240326224319j:image

易俗社の戯台


f:id:imaginegargle:20240326224439j:image

易俗社創設者の二人


f:id:imaginegargle:20240326224555j:image

真っ白なスープ


f:id:imaginegargle:20240326224532j:image

出来上がった泡饃