虢略
虢略(かくりゃく)と言えば高校国語教材の定番である中島敦の「山月記」に出てくる地名である。虎に変身して異類の身と成り果てた隴西の李徴の蟄居先であった。
この地名は現在はなく、新たに霊宝市の名を以て呼ばれている。旧霊宝県城はそれこそ弘農河を挟んで「魏函谷関」擬定地の対岸(東岸)にあったが三門峡ダムの建設に伴い県治を虢略に移して現在に至るという。
虢略はなんとも古雅な地名であり、そちらを残して欲しかったが鉄道線路も山側(すなわち虢略近く)に移転して霊宝駅を造った以上そうするしかなかったのであろう。