今春は通り過ぎるだけになりそうだが、新安県鉄門鎮の千唐誌斎に行った記憶を書きとどめておく。洛陽からタクシーで40分ほど。黄河沿いに西に向かうとそれはある。バスなら703路。日にわずか3本走っている。鉄道の「鉄門」駅は存在するが旅客取り扱いは行っておらず、門扉は鎖で閉鎖されていた。
河南省の軍閥であった張鈁が付近から出土する墓誌銘を集めて作ったのがこの博物館である。唐代の墓誌が多数おさめられていることからこの名が付いた。実際に建物に入るとすぐにわかることだがすべての壁が墓誌をブロックのように積み上げて造られている。著名な人物の墓誌もあり、また当時の筆法をとどめているため行ってみたいという書道の愛好家も多いだろう。「千唐誌斎蔵誌」という書物がありその碑影を見ることが出来る。
張鈁の書斎には「誰非過客、花是主人」と対聯と言うかこれは横批なのか、それが掲げられている。こんな文人のような将軍が中国にはいたのだ。
函谷関は何度か動いており、漢代の函谷関跡が新安県にあるらしいので今春はそこに行ってみることにしよう。