imaginegargle’s blog

中国文明の揺籃である河南省への旅の準備とその旅路について記すブログ

歴史

河南省を往く61

帰国して一週間。途中に青森行きを挟んで今日に至る。今回の旅行で必要とした経費をざっと計算してみた。往復の航空運賃、中国内の航空運賃、中国の鉄道運賃で約10万円にホテル代が7万円といったところ。その他タクシー代・食費・お土産代などに6万円程かか…

河南省を往く60

拙ブログも60回を数える。飽きっぽい性格だがよくぞ続いたと我ながら呆れる次第だ。 今日は河南省開封市理事庁街を訪れた際に、理事庁街小学付近でお店を開いていたyoutuber「菊城探味」氏に紹介して頂いた民間芸術博物館を開いている張俊濤氏(汴京灯笼张)…

河南省を往く57

もう間もなく河南省を離れ、錫山県、江蘇省に入る。車窓の外は曇りだがただ曇っているというだけではないただ事ではない視程の悪さで、スティーブン・キングの小説にあった霧の中から異世界の怪物が人を襲うみたいな怖さがある風景だ。 などと言っている間に…

河南省を往く56

劉清霞記念館を見て開封北駅に向かう。記念館の向かいに劉少奇記念館もあるんだが、改修とかで閉鎖中。毎日公安のパトカーが止まっているのは何故。そっと写真撮って道を渡り劉清霞記念館に入る。幼稚園児がたくさん参観に来ていた。 あ、劉少奇は1980年に名…

河南省を往く55

今タクシーの中で書いてるんだが、開封の城内の道は狭くて激混みに混み合う。その要因は先ず古い街並みの再開発が困難なこと、それから城壁が残り城門をくぐらなければ外に出られないということだと思う。とにかく大きな街はすなわち古い暦がある街なので、…

河南省を往く50

現代公主考 いよいよ50回目。というかまだ50回だけど。 拙い文章を読んでいただけるだけで有り難いのだが、なにせタクシーや汽車の中で書いてるので誤字脱字が多いと思う。お許し下され。 今夜は正統派のホテルでまともな夕飯を摂った。地元の菜2品とビール3…

河南省を往く49

今日は日曜日。観光都市洛陽は大変なにぎわいで、多くの女性が漢服を着て街中を闊歩している。俺は昨晩洛陽の中心地にある中州国際飯店に投宿した。多分1950年代にロシア人技術者を泊めるためか、その後に外貨獲得のために建てられたか、そういう匂いのする…

河南省を往く48

新安県に到着し、早速得意のアプリで車を呼んだが、この駅は駅前と言っても狭く曲がった道が通るばかりのローカル駅だ。電動バイクや三輪自動車を巧みに避けながら車はやって来た。それに載せてもらい今日最後の見学地「漢函谷関」へと入っていった。 ここも…

河南省を往く41

本村少将の死 北支那方面軍第1軍第69師団歩兵第59旅団長本村少将(戦死後中将に進級)は一号作戦の過程で発動された霊宝会戦の中で戦死した。旅団長の死とはどういう事なのだろうか? 戦史には、虢略の西北方の営田にて地雷により戦死を遂げたとある。まさか…

河南省を往く22

出発1日前。歯科治療に行き、一応仮に穴をふさいでもらい帰宅するが、昼飯に作ったパスタがもちもちすぎて詰め物が脱落。再度歯科医に行き塞いでもらう。歯科衛生士のおねいさんから、「スパイ容疑で捕まんないようにね」と囁かれる。気をつけます。 その間…

河南省を往く18

今日は「中原趟將」に並ぶ俺の中の河南省理解というか開封市理解のためのチャンネルを一つご紹介したい。それが「菊城小微」さんである。市内の小学校の近くで子ども相手の食い物屋を開いたらしいが最近は開封市内はおろか近郷近在の農村や割と遠くまで出か…

河南省を往く17

どんどん旅行記から離れていくんだが、まだ出発してないんでしょうがない。前回の抗日テレビ劇の中で中国人俳優の日本人将校が「そうか、よ~し!」っていうのを流ちょうに話す件だ。 中国の日本語の先生がいい塩梅に紹介してるのでご案内します。 mbd.baidu…

河南省を往く16

出発まであと9日だ。不安でしょうがない。 雑談を書く。近年中国を歩くと、面と向かって罵られたりはしないが、特に地方で「鬼子」と囁かれたりした経験は無いだろうか。俺はある。昔は「日本人」だったが2019年には「鬼子」の囁きが聞こえた。河南省鉄門鎮…

河南省を往く13

出発まで2週間を切った河南省への旅だが、今回の旅程を載せておく。 関西国際空港-上海浦東空港-咸陽国際空港 西安泊 兵馬俑博物館・鴻門宴景区 西安泊 八路軍駐西安弁事署・陝西歴史博物館・西安碑林博物館 西安泊 西安北-運城北-永済北 解塩池・鸛鵲楼…

河南省を往く12

商於 商於(しょうお)の地とは中島敦「山月記」の舞台となる地名であり、これもまた現在の河南省にある。 李徴の友人、監察御史である陳郡の袁惨がここに宿った。袁惨は勅命を奉じて嶺南に使いする途上であったが早朝人食い虎が出るので出発を遅らせようと…

河南省を往く8

google mapの衛星写真と百度地図の衛星写真を比べてみた。 比較している場所は前のページの東文研紀要所載の「魏函谷関」擬定地である。黄河に注ぐ弘農河の左岸台地に切り込む地溝の入り口を著者の塩沢氏は魏函谷関の位置と考えているようだ。 まずgoogle ma…

河南省を往く7

旅行に必要な地図は前回紹介したが、いま旅に備えて整理中の書籍がこれである。 1.防衛庁防衛研修所戦史室著 戦史叢書 一号作戦 河南の会戦 2.東亜同文会発行 支那省別全誌 第8巻 「河南省」 支那省別全誌 第八巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション …

河南省を往く6

「河南省を往く」ためのツールその1。 地図がないとどうしようもないので、前回の訪中で紙製の地図を贖っておいた。購入場所は河南省開封市の北書店街。人民交通出版社の「実用交通中国地図冊」と中国地図出版社の「目的地地図 河南省交通旅游図」。いずれ…

河南省を往く4

今春は通り過ぎるだけになりそうだが、新安県鉄門鎮の千唐誌斎に行った記憶を書きとどめておく。洛陽からタクシーで40分ほど。黄河沿いに西に向かうとそれはある。バスなら703路。日にわずか3本走っている。鉄道の「鉄門」駅は存在するが旅客取り扱いは行っ…

河南省を往く2

小倉芳彦先生の著書に「我レ、龍門ニ在リ矣」というご本があったが、4年前は久しぶりに(というのも洛陽界隈を歩いたときは必ず龍門に寄っていた。)龍門石窟に遊んだ。夏なんで異常に暑かったけど、それよりも気になったのは日本人観光客が居なかったことだ…

河南省を往く1

2019年7月に訪華を決意。 久しぶりに河南省を9日かけて歩いた。関西国際空港から爆買ツアー帰りの中国人を乗せたLCC春秋航空を使って河南省新鄭国際機場に到着。城間鉄道で鄭州東駅に移動、そのまま高鉄に乗り換えで安陽まで移動した。 何なんだろうね、あの…